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生命保険とは?いまさら聞けない生命保険の基本のキホン。

付き合いで生命保険に入っているのですが・・・内容がよく分からない

担当者が辞めてしまって・・・内容がよく分からない

親が高齢で、保険の管理を依頼されたが・・・内容がよく分からない

等々

 

masasan
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こんな疑問にお答えします。

 

本記事のテーマ

生命保険とは?いまさら聞けない生命保険の基本のキホン。

 

記事の信頼性

筆者は、終活・相続専門独立系FPとして30年超。公的金融機関で5年、独立後現在に至ります。日頃は、介護従事者、及び相続関連仕業等の専門家と協働で、多くの方からの相談を受けています。

 

目次

●基本用語

●生命保険の保障分類

●生命保険商品の種類

 

読者へのメッセージ

本記事は、生命保険の基本の中のキホンをテーマに書いています。ご自身の生命保険の内容が分からない人向けに、自分自身で確認できるキホンツールとしてもご活用いただけます。

 

生命保険は加入者とその家族のため、またそれらが豊かな生活を送るための手段として活用され、本来であれば、加入者にとって分かりやすいものでなければなりません。

 

しかし、現実は分かりずらいものばかりで、特に近年では毎月のように複雑な商品が開発され、市場に出回っています。

 

ただ、難しい商品と言えども、ほとんどの商品がキホン部分とキホン部分を掛け合わせたものなので、キホンが分かれば大丈夫。

 

まずは、本記事でキホンを学んで、ご自身の生命保険内容を、ご自身で確認してみてください。

 

では、早速いってみましょう!

 

 

●基本用語

生命保険には、生命保険ならではの用語が多くありますが、ここでは特に利用される基本用語を紹介します。

受取人 保険金などを受け取る人
解約返戻金 契約を解除した場合に、契約者に戻るお金
給付金 災害または疾病により、入院したときや手術を受けたときなどに受け取るお金
契約者 生命保険会社と契約を結ぶ人。契約上の権利(契約内容変更などの請求権)と義務(保険料支払義務)がある
公的介護保険制度 40歳以上の人が加入し、介護をみんなで助け合う国の制度
指定代理請求制度 特別な事情で被保険者本人が請求できないときに、代理人が請求できる生命保険会社独自の制度
成年後見制度 認知症などの理由で不動産や預金などの財産管理を自分で行うことが難しい場合に、保護や支援を受ける国の制度
被保険者 保険の対象となる人
保険金 被保険者死亡・高度障害や満期時のときに、受け取るお金
保険証券 保険金額や保険期間などの契約内容を具体的に記載したもの。保険契約締結の際に発行
保険料 契約者が払い込むお金
予定利率 保険料の算出の際、将来の資産運用により生まれる利益を予定し、あらかじめ一定の割合で割り引く利率

※ 保険料は予定利率の他に、予定死亡率や予定事業費率などを用いて計算

 

 

●生命保険の保障分類

①基本的なカタチ

生命保険のカタチは保障内容別に、死亡保険・生存保険・生死混合保険に分類されます。

 

・死亡保険

被保険者が一定期間内に死亡を条件として保険金を受け取ることができる生命保険です。

さらに、保険期間が一定期間の「定期保険」と、保険期間が一生涯の「終身保険」に分類されます。

定期保険は、設計時に保障期間を10年や20年とする「年満了」と、保障終了年齢を65歳、70歳とする「歳満了」を選択することができます。

 

・生存保険

被保険者が一定期間まで生存していることを条件として保険金を受け取ることができる生命保険です。一定期間受け取る「確定年金」と、生存している限り受け取ることができる「終身年金」等があります。

 

・生死混合保険

被保険者が一定期間内に死亡した場合と、一定期間生存していた場合に保険金を受け取ることができる生命保険です。代表的な生命保険としは養老保険です。

 

②主契約と特約

生命保険契約は、主契約と特約で構成されています。ただし、主契約は単独で契約が成立できますが、特約は単独での契約は成立できません、主契約に付加することによって成立することができます。

特約は、主契約の給付内容や保障範囲を広げたり、保険料の払込方法で契約者の便宜を図ったりすること等があります。

 

③保険料の払込期間

加入時に保険料を一括して払い込む一時払い、保険料払込期間が保険期間よりも短い短期払い、保険料払込期間が保険期間と同じ全期払い、保険料払込期間も保険期間もともに終身の終身払いがあります。

 

④保険料の払込方法

回数と経路で分類して確認します。

回数は、月払い・半年払い・年払い・一時払いがあります。

※ 他に全期前納があります。保険料払い込みの全期間分の保険料を契約時にまとめて支払う方法のことをいいます。一時払いと異なり保険期間の途中で被保険者の死亡時や、保険を解約した場合は、死亡保険金や解約返戻金と未経過分の保険料が返還されます。

 

⑤契約者配当の有無

有配当保険・準有配当保険・無配当保険に分類されます。

契約者配当とは、安全を見込んで設定した保険料のうち、実際の保険運営で生じた余剰金を、保険料の清算として契約者に還元するものをいいます。

有配当保険は、契約者配当がある保険をいい、現金で受取る、保険料と相殺、積立てておく、保険金を増額するなどの受取方法があります。

無配当保険は、初めから保険料を安くし剰余金の戻しを行わない保険のことです。

準配当保険は、利差配当に関してのみ分配を行う保険のことです。

 

 

●生命保険商品の種類

①主に死亡保障目的の生命保険

・定期保険

保険期間中に被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われる死亡保険です。

保険期間満了時は、一定の条件で定期保険として更新するのが一般的なもの。

殆どの商品は、80歳で終了します。

 

・終身保険

保険期間が一生涯にわたる死亡保険です。

保険期間が短期払いの場合、保険料払込期間終了後に責任準備金が蓄積され、そのキャッシュバリューで個人年金保険に移行することができます。

 

・養老保険

被保険者が、保険期間中に死亡した場合には死亡保険金が、保険期間満了まで生存していたときは満期保険金が、同額支払われる生死混合保険です。

 

②変額保険

1985年の保険審議会答申を受けて、1986年に生命保険業界統一商品として開発されました。養老保険タイプと終身保険タイプがあります。

満期保険金は、運用実績により基本保険金額を下回る場合がありますが、死亡保険金は運用実績悪くても基本保険金額は保証されます。

 

 

③外貨建て生命保険

ポイントは三つ。

一つ目は、保険会社が、外貨建て生命保険の保険料を外貨建て金融商品で運用します。よって、日本より金利が高い国の外貨建て金融商品で運用すると高い金利を活用することができます。

二つ目は、為替相場により円安になれば為替差益が得られ保険金が増加し、円高になれば保険金は目減りする為替リスクがあります。

三つめは、為替手数料等の費用があります。外貨を持っていない場合は円から外貨にする必要があり、また、円で保険金を受け取りたい場合は外貨から円に変更しなくてはなりません。その際にかかる費用を契約者が負担します。また、その他運用関係費用等があります。

円建ての生命保険の貯蓄性が低下していることから、外貨建て生命保険の関心は高まっていますが、実際に保険金を受け取る際の金額が下回ることもある点に注意が必要です。

保険の種類は、終身保険や養老保険等があります。

 

④その他の生命保険

その他、貯蓄目的の生命保険として、貯蓄保険や、個人年金保険、変額個人年金、外貨建て個人年金、トンチン年金、こども保険等があり、また第三分野と呼ばれる分野の医療保険、がん保険、介護保険等もありますが、これらはまたの機会に。

 

 

まとめ

「加入するときは理解していたけど内容を忘れてしまった人」や、「お任せで加入したからそもそも理解していなかった人」など、自分の生命保険の内容を知らない人や、間違って理解している人、けっこう多いのです。

まずは、自分の生命保険証券と本記事を手に取って、キホン内容を確認してみてください。

もし見直しを検討されるのであれば、そのあとです。

自分自身の生命保険を自分で知るところから始めてみましょう。

 

 

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masasan
終活・相続専門のファイナンシャルプランナー/業歴30年超/50代男性