老後

介護施設の選び方「種類7つのサービスと費用」から

自分の介護施設を探そうとしている人、親の介護施設を探さなくてはならない人、

「介護施設の種類って色々あって難しい

「自分(親)に合った介護施設を知りたい

「実際に払う費用っていくらぐらいか知りたい

masasan
masasan
こんな疑問にお答えします。

 

本記事のテーマ

介護施設の選び方「種類7つのサービスと費用」から

 

記事の信頼性

筆者は、元政府系金融機関職員/独立後相続コンサル20年ほど任意後見人受任者として、医師や介護事業者との協働歴10年、被後見人のための介護施設の視察もしています、経営管理修士/MBA/FP

 

読者さんへのメッセージ

本記事は「これから介護施設を探そうとしている人、親の介護施設を探さなくてはならない人」という方向けに書いています。

多くの高齢者にとって、介護施設は人生の終着駅を目指す住み処になりえる場所、施設選びを間違えてしまうと、人生最後の貴重な日々が台無しになりかねません。そのような最悪の事態は絶対に避けなければなりません。

介護施設には、たくさんの種類があります。自分はどんな老後を過ごすのか、元気なうちに考えておきたいところ。まずは、老後を過ごすかもしれない介護施設について整理しておこう。

この記事は、「介護施設の種類と費用」をイメージできるように書いています。また、筆者は10年間任意後見人受任者として被後見人の介護現場を見てきた介護専門家ではない外部的立場、要するに読者の皆様と同じ目線から、実体験をもとに介護施設についてのポイントを解説しています。

 

では、さっそく見ていきましょう。

 

現在、高齢者を対象とした入居サービスの提供をしている主な介護施設は次の7つ

1.有料老人ホーム<民間施設>

2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)<民間施設>

3.認知症高齢者グループホーム<民間施設>

4.特別養護老人ホーム(特養)[公的施設]

5.軽費老人ホーム(ケアハウス)[公的施設]

6.介護老人保健施設(老健)[公的施設]

7.介護医療院[公的施設]

費用としては、入居時に必要な費用として敷金が、月額利用料として住居費・施設運営費・食費が必要になります。費用は、施設の立地や設備等により異なります。(本稿は、オプション費用とは含まれておりません)

 


 

種類別に、見ていきましょう。

 

1.有料老人ホーム<民間施設>

高齢者を入居させ、食事サービス、介護サービス(入浴・排泄・食事補助)、洗濯・掃除等の家事援助、健康管理のサービスのいずれかを提供する高齢者向けの居住施設です。

次の3つの種類があります。

 

(1)介護付 有料老人ホーム

介護サービスや施設が充実、介護度の高い人におススメ

介護保険対象となる「特定施設入居者生活介護(※)」の利用が可能、そのため、介護等が必要となった場合、そのままホームでの生活の継続可能です。

(※) 「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設の入居者に対し、当該特定施設が提供するサービスの内容等を計画し、その計画に基づき提供する、入浴、排せつ、食事の介護その他の介護サービスをいいます。(介護保険法第8条第11項)

 

[入居条件]

おおむね65歳以上の高齢者、自立~要介護5認知症可(但し事前確認が必要)

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・提携医療機関からの往診・通院

提携する医療機関まで介護士の付き添いで通院することも可能。提携外の医療機関までの介護士の付き添いは、介護保険は利用できず全額自己負担。

 

看護サービス・・・ホーム内の看護師が行う

血圧チェック、服薬管理等の日常的管理、軽いけがなど

 

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

24時間体制、食事・入浴・排泄等の生活介助、リハビリなど

 

[費用]

入居時・・・0~数千万円

月額・・・15~40万円

 

 

(2)住宅型 有料老人ホーム

イベントやレクリエーションが充実、介護度が低い入居者が多い

生活支援等のサービスがあり、介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等のサービスを利用しながら、ホームでの生活継続が可能です。但し、24時間体制による介護サービスを受けられないこともあるので、事前に確認が必要です。

 

[入居条件]

おおむね65歳以の高齢者、自立~要介護5認知症可(軽度に限る)

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・提携力医療機関からの往診・通院

外部の医療機関と提携していない場合は、自ら医療機関に出向いて受けます。健康面に不安のある人はこの点に注意が必要でs。

 

看護サービス・・・訪問看護

看護師の配置に関する定めがないため、サービスのクオリティは施設ごとに大きく異なります

 

介護サービス・・・個別にケアプランを作成して介護サービスを受ける

ケアマネージャーにケアプランを作成してもらったうえで、デイサービスに通ったり、訪問介護を使ったりできます。このような介護サービスは必要な分だけ利用が可能なので、費用が必要最低限で済みます。介護がそれほど必要でない人は、費用を抑えることができます。

 

[費用]

入居時・・・0~数千万円

月額・・・15~30万円

 

(3)健康型 有料老人ホーム

豊富なアクティビティが充実、介護を必要とない高齢者施設

自分の身の回りのことができる自立した人が対象、介護が費用となった場合、契約が解除され退去を求められるので、入居時に注意が必要です。

サービスは、食事や掃除、洗濯、安否確認などの生活支援、イベントやサークル活動などのアクティビティが提供されます。施設内でコンサートなどが行われることもあります。

 

[入居条件]

おおむね65歳以上の高齢者、自立のみ認知症不可

 

[医療・看護・介護体制]

自立している人の利用を想定している施設なので、介護や医療サービスは要していません。但し、万が一の緊急時に備えて、医療機関と連携している施設もあるので、確認してみるといいでしょう。

 

[費用]

入居時・・・0百~数千万円

月額・・・12~15万円

 

2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

介護度が高くない高齢者が自由に暮らせる住宅

介護の専門家による安否確認や生活相談等のサービスが付いたバリアフリー構造の賃貸住宅。扱いはアパートなので賃貸借契約の締結が必要です。サービス提供者は入居者が自由に選択できます。

[入居条件]

60歳以上自立~要介護3程度認知症可(軽度に限る)

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・協力医療機関からの往診・通院

看護サービス・・・訪問介護

介護サービス・・・個別にケアプランを作成して介護サービスを受ける

 

[費用]

入居時・・・0~数千万円

月額・・・~25万円

 

 

3.認知症高齢者グループホーム(グループホーム)

認知症を持つ人向け

認知症の高齢者が共同で生活する施設です。入浴・排泄・食事の支援と、その他日常生活上の世話、レクリエーションのサービスが提供されます。入居者が自分のリズムで生活を行い、スタッフは「見守り」の形で後方支援を主とすることが求められています。地域密着が理念、入居者は買い物、散歩、地域行事などへの積極的参加が想定されています。

 

[入居条件]

認知症を持った要支援2~要介護5の高齢者

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・協力医療機関からの往診・通院

看護サービス・・・ほぼ看護師はいないことが殆ど

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

 

[費用]

入居時・・・0~数千万円

月額・・・12~15万円

 

 

4.特別養護老人ホーム(特養)

要介護度の高い人向け

入浴、排泄、食事などの日常生活上の介護、リハビリテーションなどの機能訓練、バイタルチェックなど日常の健康管理、相談・援助、レクリエーションなどが提供されます。

 

[入居条件]

65歳以上要介護3~要介護5認知症可

身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護が必要で自宅において介護を受けることが困難な人

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・協力医療機関からの往診・通院

看護サービス・・・ホーム内の看護師が行う

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

 

[費用]

入居時・・・0円

月額・・・5~15万円

 

 

5.軽費老人ホーム(ケアハウス)

身寄りがなく生活に不安がある人向け

無料若しくは低額な料金で食事サービスやその他日常生活上の必要なサービスが提供されます。また、「一般型と介護型」の2つがあります。

 

[入居条件]

一般型:自立~要支援、認知症不可、身寄りがなく生活に不安がある60歳以上

介護型:要介護1以上、認知症可(軽度なものに限る)、独居生活に不安がある65歳以上

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・協力医療機関からの往診・通院

看護サービス・・・ホーム内の看護師が行う

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

 

[費用]

入居時・・・0円

月額・・・7万円~18万円

 

6.介護老人保健施設(老健)

退院直後において自宅での日常生活が困難な人向け

リハビリテーションなどの医療サービスを提供し、在宅への復帰を目指す施設。利用者の状況に合わせた施設サービス計画(ケアプラン)に基いて、医学的管理のもと、看護、リハビリテーション、食事・入浴・排泄等の日常生活上の介護などを合わせて受けることが可能です。

 

[入居条件]

要介護者1~要介護5認知症可

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・ホーム内の医師やスタッフ(医師など)が行う

看護サービス・・・ホーム内の看護師が行う

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

 

[費用]

入居時・・・0円

月額・・・6~25万円

 

7.介護医療院(介護療養型医療施設)

日常的に介護や医療ケアが必要な人向け

医療、看護、看取り、ターミナルケアなどを行う施設です。

 

[入居条件]

日常的な医学管理が必要な重度介護の人要介護1~要介護5認知症可

 

[医療・看護・介護体制]

医療サービス・・・ホーム内の医師やスタッフ(医師など)が行う

看護サービス・・・ホーム内の看護師が行う

介護サービス・・・ホーム内の介護スタッフが行う

 

[費用]

入居時・・・0円

月額・・・8~20万円

 

 

まとめ

 



ABOUT ME
masasan
終活・相続専門のファイナンシャルプランナー/業歴30年超/50代男性