親の介護施設を探さなくてはならない人
「食事とか美味しいのかな?」
「持込みはできるのかなあ?」
「衛生面とか大丈夫かな?」
本記事のテーマ
介護施設の選び方「介護施設の食事、入所前の確認事項ポイント7つ」
記事の信頼性
筆者は、終活・相続専門独立系FPとして30年超。公的金融機関で5年、独立後現在に至ります。日頃は、介護従事者、及び相続関連仕業等の専門家と協働で、多くの方からの相談を受けています。
読者さんへのメッセージ
本記事は「親の介護施設を探さなくてはならない人」という方向けに書いています。
この記事を読むことで、「介護施設の具体的な食事について」イメージできるようになると思います。
多くの高齢者にとって、介護施設は人生の終着駅を目指す住み処になりえる場所、施設選びを間違えてしまうと、人生最後の貴重な日々が台無しになりかねません。そのような最悪の事態は絶対に避けなければなりません。
食事は入居者が最も期待していることの一つです。万が一、食事サービスが十分ではない介護施設に入居してしまうと、感動や生きる喜びが失われることになりかねません。
介護関連サイトの殆どは、施設経営者や介護専門職等の内部関係者の作成によるものです。筆者は、10年間任意後見人受任者として被後見人の介護現場を見てきた外部的立場、要するに読者の皆様と同じ目線から、介護施設の食事についてポイントを解説しています。
では、さっそく「介護施設の食事、入所する前の確認事項ポイント7つ」について見ていきましょう。
1.食事がおいしいか
2.どこで食事を作っているか
3.食事をとる際の状況や環境
4.飲食物の持込みは可能か
5.管理栄養士はいるのか
6.メニューの個別対応の可否
7.諸事情による食事のキャンセル対応
1.食事がおいしいか
まずは、介護施設に見学に行きます。そして、実際に食事をして、おいしいのか、自分に合っている食事なのか、を確認します。昼食時間帯に行けば、どんな食器が使われているか、スタッフの介助はどこまで行われているかなどの確認もできます。さらに言えば、月間の献立表をもらうことや、朝食も見せてもらうとなお食事に対する介護施設の姿勢が見えてきます。
2.食事の提供体制
具体的には、作りたての食事が提供されているか確認しましょう。
多くの有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等で提供されている食事は、施設内で調理したものではなく外部に委託しているものが多いです。中には、冷凍食品を単に温めて出しているところが少なくないのが現状なのです。このメリットは、調理スタッフの人件費削減や調理時間を短縮することができ、さらには仕入れ価格が安く、長期保存が可能になるためです。これで経営上のコストを安くすることができますが、長期保存のために塩分を多く使うことでの健康面への不安や、解凍時に必要水分が放出してしまって品質が落ちてしまう、などといったデメリットが生じるのです。
やっぱり施設内の厨房で調理した作り立ての食事を提供してくれる方が、いいと思います。少量の塩分でも充分な味付けができ、素材本来の食感も楽しめます。また、厨房や料理人が公開されれば、その人たちとの距離も近くなり安心感が得られることでしょう。
3.食事をとる際の状況や環境
状況は、できるだけ「自宅での食事の時間と同じように過ごせる状況か」を意識してみるといいと思います。環境は、テーブルの色や食堂の壁紙などは、安心感を抱けるような柄であるかを確認します。座席についても、指定か自由か、入居者が落ち着ける雰囲気かどうかなども確認しておきましょう。
4.飲食物の持込みは可能か
飲食物を持ち込むことが可能かどうかは、筆者の経験上入居前の確認は絶対です。
介護施設では、飲食物全般の持込に関して一定のルールが設けられていることが殆どです。しかし、体調によって食が進まないときは、自分の好みのふりかけやお漬け物などを食堂に持ち込むことができたら、うれしいですよね。
施設は硬くて噛みにくい食べ物や、のどに詰まりやすい食べ物を食事に出さないよう入居者の食の事故に細心の注意を払っていますが、ご家族からの差し入れに関しても同様に十分な配慮をとっているのです。
特に甘いものの差し入れは、無制限に認めてしまうと肥満や糖尿病、高血圧などのリスクが高まり、入居者の健康管理上好ましくありません。
万一、飲食物を持ち込んだ場合は賞味期限を把握し管理もしなくてはなりません。
また、お酒についてですが、多くの介護施設ではアルコールに対して厳しく、基本的にお酒は控えていただいているようです。どうしても飲みたいならば、事前で確認しておくといいと思います。
その他、施設によって飲食物の持込を全面的に禁止しているところもあるので、確認は必ずです。
5.管理栄養士はいるのか
特別養護老人ホームにおける管理栄養士の役割は、介護を必要とする入所者への栄養管理、栄養指導を行います。生活の場である特別養護老人ホームでは、「食事を楽しむこと」と常に考えることが求められます。このようなことから、管理栄養士が駐在しているか否かは、その施設が栄養面に十分な注意を払っているかの判断材料になります。
6.メニューの個別対応の可否
入居者に食べ物の好き嫌いがあった場合、それを介護施設に伝えると悪い印象を持たれるのではないかと心配されるご家族も多いはずです。専門の管理栄養士や調理師が常駐している場合は、栄養バランスを考えて献立を作っています。介護施設に入居する際、入居者の好みやアレルギー等についてあらかじめ聞かれるので、食べられない食材は除外したり、ときには別のメニューに変更したり対応できないか等、個別対応の相談をしてみると良いでしょう。
7.諸事情による食事のキャンセル対応、その他
体調不良等で食事をとることができなかった場合、又は入院した場合等でも食費を払うのか等、食事について想定されることは、すべて入所を検討される前に確認しておきましょう。確認せず、入所して思っていたことと違っていたからと言って、簡単に違う施設に移ることは容易じゃありません。
以上、終わりです。